ためになる歯科豆知識

1.カルシウムをとっただけでは歯は強くならない!
 ビタミンD が必要

カルシウムが腸から吸収されるためには、多量の ビタミンDを必要とします。 ですからカルシウムを多く含んだ食品をいくら食べても、ビタミンD が十分に摂取されなければ、カルシウムはただ排泄されてしまいます。 ビタミンDを含んだ食品は、 非常に少なく、バター、レバー、シイタケ位が代表的なものです。幸いな事に、 ビタミンDは、食品から取らなくても、 日光浴をすれば体内で生成されます。故に日光浴をする事で、取ったカルシウムを充分体内に吸収させて くれるのです。

2.奥歯の咬む力はこんなにすごい!

奥歯(第一、第二大臼歯)の交合力(咬む力)は成人で 平均50〜60s/cuあります。強い人は100s/cu位ある人もいます。又前歯では、20s/cu位あります。

3.母乳児に比べ人工乳児に指しゃぶりが多い!

ボトルの先のゴム製の乳首は、母親の乳首に比べ弾力が弱いため、 どうしても乳児は、欲求不満になり、指しゃぶりをするようになってしまいます。赤ちゃんにとっては、 やはり母親の乳首が、一番満足感を与えてくれるものなのでしょう。 又、人工乳児の唇は、 どちらかというと、しまりが弱く、厚ぼったくなる傾向があります。これは口唇の筋肉の発育が、 悪くなってしまうためです。いずれにしろ、免疫学的に見ても、赤ちゃんは出来る限り、人工乳でなく、 母乳で育てるのが理想でしょう。

4.最近の子供はアゴが小さい!

最近の小学生の学校歯科検診における所見の特徴は、 前歯部の叢生(らんぐい歯)が30〜40%に見られます。顎骨の成長に伴いかなり改善されますが、 その数は増加傾向にあります。これは食生活において、固いものが少なくなり顎骨の成長が遅れるためで あり、歯のサイズはあまり変わらないのに対して、あごが小さくなったためであります。 又咬筋(あごの筋肉)の発育が悪いため、長い間大きい口を、開けていられなくなってきている子供が、 増えてきています。

5.食物の味は、舌だけで感じるのではない!
食物の味は、次の5つの要因で決まります。

(1) 絶対味覚(舌で感じる味覚) 舌の味蕾で感じる味。
(2) 接触性味覚(口蓋、歯肉、頬粘膜、舌、口唇) いわゆる舌ざわり。口蓋や頬粘膜の接触感で感じる味。
義歯を入れると味が落ちるのは、接触味覚の低下に
よります。
(3) 臭覚性味覚(食物のにおい)食物から出るにおいによって感じる味。
(4) 視覚性味覚(食物を見た感じ)食物の見た目で感じる味。
(5) 環境性味覚(食べる環境)食物を食べる環境で、料理の味も違うものです。
やきとりも家で食べるより、
炭焼きの煙の漂う赤提灯で、食べるのがおいしい。
たった一人で食事をするよりも、家族皆で食事をした方がおいしく感じます。
6.学童が、転んだり、鉄棒から落ちたりして、
 歯が抜けたり、ぐらついたりした時の救急処置は?

小学校の校医をやっているとよく保健の先生から、この様な質問を受けます。 歯が完全に抜けてしまった場合は、歯をきれいに洗い、水か生理的食塩水に入れて、出来るだけ 早く歯科へ来診して下さい。再植が可能です。又、抜けないで、ぐらついた時も速やかに、歯科へ受診して下さい。 歯が破折した場合は、破折した歯は必要ありませんが、やはり速やかに歯科受診して下さい。

7.乳歯は永久歯の道案内人!

乳歯の石灰化(歯が出来る事)は胎児期に始まりますが、 永久歯の石灰化は、生まれてから始まります。
乳歯の歯根の下で、永久歯は、2歳位から骨の中で造られ初めます。 この時、もし乳歯が歯髄まで感染した虫歯であると、細菌が歯根尖端に病巣を造ります。 急性に転化すると、膿のふくろをつくります。この場合、どんどん出来てくる永久歯が 石灰化不全歯となり、虫歯にかかりやすい、弱い歯になってしまいます。 そいうわけで、乳歯が虫歯だらけだと、やはり永久歯も虫歯にかかりやすい永久歯になってしまいます。

8.体質と健康についての豆知識!(Click here)
9.急性の肩こりは歯からはこない!

「歯が痛いから肩がこる」という言葉はよく聞きますが、 この時の肩こりは、歯からくるものではなく、全身状態からくるものです。 仕事疲れ、遊び疲れ、睡眠不足、季節の変わり目など、身体がオーバーワーク に成った時の肩の筋肉を支配している神経(とうこつ神経、えき下神経)から来るものです。 歯の神経支配は三叉神経第2、3枝の上下顎神経支配です。 全身状態が疲労気味になった時に、急性歯根膜炎や急性骨髄炎を起こすために、 肩痛と歯を結びつけてしまうのです。

10.歯からくる全身疾患について!

むし歯が進行して歯根の先端に病巣(歯根肉芽腫、歯根のう胞)が出来ると、その病巣に 生息している嫌気性菌の、代謝時に発生される物質が全身をまわり、心内膜炎、糸球体腎炎、関節炎、 慢性腰痛、慢性肩こり等を誘発します。これを病巣感染(フォーカルインフェクション)といいます。 小児の腎炎は特に乳歯(慢性の根尖病巣)からきます。 長年苦しんでいた腰痛持ちの方が、ある時歯の治療を完全にしたら、腰痛がけろっと取れた と言うケース報告は結構あります。

11.妊娠性歯肉炎について!

妊娠前期(4ヶ月まで)には、口腔内のホルモンのバランス代謝変化とつわりによる 口腔清掃不備により、歯肉の腫脹、発赤、軽い出血、むずがゆさ等の症状が出ます。 これを、妊娠性歯肉炎と呼んでいます。生理的に起きる歯肉炎ですので、しっかり 口腔清掃(歯みがき、口ゆすぎ)をしていれば、5ヶ月にも入れば、自然に 治ります。個人により炎症の強弱はかなりあります。 又この時期に初期カリエス(むし歯)をつくりやすいので気をつけて下さい。 「赤ちゃんに自分のカルシュウムが取られて、子供を産んだら歯が弱くなった」なんて 言う人がいますが、決してそういう事はございません(^o^)。

12.ガムの話 ( chewing gum ) !

ガムの事を、正確にはチュウインガム( chewing gum ) といいます。口の中で 噛んで味わうお菓子の一種です。亜熱帯地方で産出するサポジラの樹脂チクルに、 砂糖、香料、ハッカ等を混ぜて固めたものです。 最近では、チクル(サポジラの樹液を煮詰めた固形物)の代わりにビニール樹脂(石油から作られます)が多く 使われています。
キシリトールガムは、甘味料の砂糖の代わりに、白樺の木の樹液が甘いため、 それを利用しています。
ガムは、食直後の大きな食物残渣は除去出来ますが、長い間噛んで いるとチクル、ビニール樹脂の成分が歯の表面に付着して、歯のエナメル質の 表面をかえってザラザラにしてしまい、歯垢を付着しやすくして しまいます。 以上の事から、ガムは歯の清掃的なものではなく、「気分転換」、「噛む刺激による脳細胞 の活性」、「こう筋のぶ活」、「一時的口臭除去」等に利用すれば良いでしょう。





むし歯の図説

・むし歯の進行について

むし歯は、入り口が小さくても、歯の内部で広がっています。
エナメル質の硬さ(モース硬度:6〜7)より、エナメル質の下のゾウゲ質(モース硬度:4〜5) の方が柔らかいために、むし歯はゾウゲ質の中で大きく広がって行きます。
又、エナメル質には神経がありませんが、ゾウゲ質には神経があります。
故に、むし歯がゾウゲ質まで進行すると、水にしみたり、痛みを感じる様になるのです。
そしてC3(歯髄感染)になると、自発痛(じっとしていても痛い)が出はじめます。
むし歯の原因菌はさらに進行して、根尖から外に出て、歯根膜、歯槽骨の中に病巣を つくります。







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