正しい歯の磨き方について

楔状欠損の症例 (不適正な歯磨きにより生じます)

左の図は、歯磨き剤をたくさんつけ、 ハブラシの強い横磨きにより歯の歯頸部が摩耗した症例です。楔状に磨耗するので、 楔状欠損(W.S.D)とよびます。

長年のハブラシの横磨きにより、歯頸部 (歯と歯ぐきの境の所)が 摩耗したものです。基本的には、歯磨き粉 は使わない方が良いが、使う場合は出来るだけ少量にして、 粒子(研磨剤)の細かいペースト状か、液状のものが良いでしょう。歯磨き粉を 使わないで一週間も磨くと、歯の表面がタバコを吸わない人でも、吸っている人の歯の様に、 薄茶褐色になってきます。これはお茶のシブとか食品のシブ、あるいは清涼飲料、コーヒー等の 着色物質が歯の表面に付着したもので、歯垢ではないので、虫歯にはなりません。 ただ審美的に悪いので、この時は1センチ程歯磨き粉をつけて丁寧に磨けば、真っ白になってしまいます。 これだけ歯磨き粉は、歯の表面をすりへらしているのです。 台所のステンレス流しを、クレンザーで磨けば、きれいにはなるが、ステンレスの表面が細かい キズだらけになるのと、同じ理屈です。歯のエナメル質細胞は再生能力はありません。 すり減ったものは、元には戻りません。歯磨き粉を使うのは、1週間に1度位がいいでしょう。
只、歯磨き時の清涼感と泡立ちによるブラシの動きのスムーズさが、欲しい方は1センチ程度以内 の量で磨いて下さい。
歯は消耗品です。大切に使って長持ちさせましょう。



・歯磨きの基本テクニック

  • 毛先は、歯だけではなく、歯肉粘膜移行部(ピンク色と毛細血管がすけて見える赤い部分との境) から磨いて下さい。

  • 臼歯部を横磨きする時は、2歯単位の距離で磨いて下さい。長い距離で磨くと、上図のように、 楔状欠損をつくってしまいます。

  • 咬合面(咬む面)を磨く時は、2〜3センチの距離で磨いて下さい。咬合面はエナメル質が厚く、 丈夫で、歯頸部程摩耗しません。

  • 磨く時の歯ぐきからの出血は、心配ありません。歯肉炎、歯槽膿漏症がある場合は、かなり出血 しますが、盲嚢(ポケット)の洗浄と汚れた血液の排出になるのでかえって効果があります。 気にしないで磨いて下さい。

  • 歯のお掃除も、庭のお掃除も同じ事です。庭ぼうきで細かい砂ボコリを掃き出す要領で、歯ブラシの毛先で、 小さな小さなお庭(口の歯の表面と歯肉の表面)を掃き出す様にこすって下さい。シャシャシャと音が 聞こえる位にスピィーディーにこすって下さい。適正な歯ブラシさえ使っていれば、横みがきのリーチだけ 気をつけて頂ければ、特に特定したみがき方をする必要はございません。 要は、歯垢がしっかりきれいになればいいのです。
    又、磨く時間も関係ございません。長い事みがいても肝心の歯垢がきれいに掃除されていなければ意味がございません。 短い時間の磨きでも、しっかり全部の歯の歯垢が、取れている事が大切です。

    • 上の歯は、上から下に。下の歯は下から上に磨くのが基本です。




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